高層マンション工事の注意点
2000年以降、たくさん見かけるようになったタワーマンション。
住み始めてから10年以上が経過し「そろそろリフォームをしようかな」とお考えの方や、タワーマンションの一室を購入してリフォームを検討しているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、タワーマンションならではのリフォームにおける特徴があることご存知ですか?
タワーマンションと一般的なマンションでは、リフォームに違いはない。というイメージを持ちやすいですが、実はタワーマンションならではの特徴やルールが存在します。
知らずにリフォーム工事を進めようとすると予想以上に費用がかかったり、想定以上に工事に時間がかかったりと問題が多発してしまうことも。
そこで今回は、タワマンリフォーム経験が豊富なきがえる水工房の現場の声を基に「知っておきたい、タワマンリフォームの注意点」をご紹介します。
リフォームを始める前に、お住まいのタワーマンションではどのようなルールを採用しているのか、確認しておくだけでもその後の計画がスムーズになりますよ。
是非、リフォーム計画や業者選定の際にお役立てくださいね。
INDEX
スプリンクラーに要注意
こちらが天井付のスプリンクラーです。ご自宅にスプリンクラーが設置されている方は要確認の内容です!
タワーマンションの場合、消防法により11階以上の住まいにはスプリンクラーの設置が義務付けられています。
理由としては11階以上には消防はしご車が届かず、鎮火の作業が難しいためです。
タワーマンションに住む場合には、このような特徴を考慮した上でお住まいの階数を検討すると良いでしょう。
室内に設置されているスプリンクラーは全て、全範囲に効率良く鎮火作業が行えるように、計画された位置に取り付けられています。
そのため、リフォーム工事で間取り変更を行う際は、スプリンクラーの位置変更や増設が必要になることがあります。
この「スプリンクラーの位置変更や増設工事」が要注意ポイントです。
スプリンクラーに関する工事は、所轄の消防署への工事届提出や検査が必要になる可能性があります。
(詳細内容は地域によって異なります)
また、スプリンクラー工事を担当するのは専門業者です。リフォームを行う設備業者は管轄外の作業内容となります。
間取り変更をする場合は、どこにどれだけのスプリンクラーが必須なのか検討が必要なので、リフォームプランの相談と並行してスプリンクラーの位置も確認しましょう。
こういった消防や専門業者への確認も含め、リフォーム業者での手配が可能かどうか事前に確認しておくと安心です。特にスプリンクラーは特殊な内容ですので、業者選びの際には手配をおまかせできるリフォーム業者をお選びいただくことをおすすめします。
また、スプリンクラー工事は専門工事になるので、他の工事よりも高額になる傾向があります。
リフォーム予算組みの際には、スプリンクラー移設・増設費も考慮しておきたいところです。
さらに、スプリンクラーの移設・増設に関しては、消防や専門業者への手続きや工事に時間がかかる可能性があります。工事を急ぐ際などは特に、スケジュールの調整もご注意ください。
工事の手間や費用が予想以上かかってしまうことが多いスプリンクラー工事なので「スプリンクラーを動かさない間取り」を検討することも珍しくありません。
11階以上のお住まいについて、リフォームの際にはスプリンクラーの取り扱いについても考慮して計画を進めてくださいね。
天井カセット型エアコンに要注意
こちらが天井カセット型エアコンです
「天井カセット型エアコン」とは店舗などで多く使われているエアコンのことです。
「天井埋め込みカセット型」や「天カセ」などと呼ばれていることもありますよ。
タワーマンションではこの天井カセット型エアコンが採用されていることが多く見られます。
天井カセット型エアコンは天井に埋め込んで設置されているため、エアコンを目立たなくさせる効果があります。スッキリとした見た目は人気がありますよ。
また、4方向から送風可能なタイプもあるので、天井が高い室内で温度のムラができにくいなどのメリットがあります。
この天井カセットエアコンの注意点ですが、天井にエアコン本体を設置するため、壁掛け型エアコンに比べると工事に手間がかかり、工事費が高くなる傾向にあります。
また、天井カセット型エアコンは壁掛けエアコンに比べると種類が少なく、本体価格も高額になる傾向にあります。選択肢の少なさに悩まれるお声も聞かれます。
さらに、エアコンのメンテナンスに関しても、ご自身でのクリーニングが難しいこともあり、メンテナンスの際は専門業者に依頼する場合も多くあります。
こういった理由から、リフォームの際に天井カセットエアコンを入れ替えされるのかどうかで工事費用が大きく変わります。
リフォーム時にエアコンは既存利用されると言うこともよくありますよ。
リフォーム工事の際に見落としがちではありますが、導入時やメンテナンスにも費用がかかる部分なので、今後の取り扱いについては検討が重要なポイントです。
工事用資材が特殊なことがある
タワーマンションでは一般的なマンションリフォーム工事で使用する工事用資材を使用できないことがあります。
例えば、壁の下地に使用するボード材の厚みが一般的なマンションリフォームで使用されているものよりも分厚い仕様を指定されていたり。
柱に使用する材料が木製ではなく軽量鉄骨を指定されていることがあります。
上記の例は、より安全性を高める仕様なので住まう上では安心ではあります。
注意点ですが、指定の資材を使用する場合、工事資材費用が一般的なものよりも高額になる可能性があります。
過去にリフォーム工事を行ったことがある方は、工事費用が高額な印象を受ける可能性がありますが、このような指定の工事資材使用が差額が理由の一つのこともあります。
リフォーム後では特に気が付きにくい部分ですが、タワマンリフォームではこういった使用する資材の指定といった特徴もあります。
リフォーム工事規約が厳しい
マンション暮らしでリフォーム工事を行う場合、そのマンションごとに工事可能な内容が定められた「工事規約」を必ず守らなければいけません。
マンションで代表的な工事規約といえば「フローリングの防音対策」が挙げられます。近隣への騒音を防ぐために、工事規約で定められた遮音性能を満たしたフローリングを使用することや、遮音性能を満たす床下地の使用が指定されています。
このような決まり事が各マンションにはありますがタワーマンションの場合、工事規約の内容が厳しいことが少なくありません。
例えば「フローリングの使用禁止」や「コンクリート躯体を表に出した仕上げの禁止」「リフォームに使用する仕上材をすべて申告する」など、一般的なマンションでは求められないような決まりがあることも。
工事規約によっては理想とする内容でリフォーム工事が行えないこともあり得るので、できれば物件の購入前にマンションの工事規約は確認しておきたいところです。
合わせて、リフォーム計画を具体的に進める前にも工事規約は改めて確認しておくと安心です。
リフォーム工事申請に時間がかかることも
マンション暮らしでリフォーム工事を行う場合、ほとんどのマンションでは工事を始める前にリフォーム工事申請を管理組合に申請しなければいけません。
申請にあたり、一般的には数週間程度で工事の許可がおりることがほとんどですが、タワーマンションの場合は申請に一ヶ月以上かかるケースがあります。
実際にあったケースでは、管理組合が月に一度の申請期限までのみ工事申請を受け付けている場合があり、期限を過ぎると翌月まで申請を待たなければいけないということがありました。
また、別のケースでは工事申請内容の許可を月に一度の理事会にて判断するため、理事会許可がおりるまで待たなければならないこともありました。
リフォーム工事を急いでいる場合には、こうした申請にかかる時間がスケジュールに大きく影響してしまうことも考えられます。
工事規約内容についてはチェックしているものの、この工事申請スケジュールについては見落としてしまうこともあるので、リフォーム工事の際には手続き期間も必ず確認しておきましょう。
騒音トラブルがおきやすい!?
多くのタワーマンションでは築20年以上の物件がまだまだ少なく、マンション内でリフォーム工事を行うことは珍しい状況です。特に数ヶ月ほど続く、大規模なリフォーム工事はタワーマンション内では数少ないでしょう。
そのため、タワマン居住者が工事の騒音に慣れていないことが多く、工事騒音でのクレームが起きる可能性が高い傾向にあります。
このことはタワーマンションだけでなく、築浅のマンションでも多く確認されています。
築年数を重ねるほどにマンション内でリフォーム件数が多くなり、こうした工事の騒音にも寛容になっていく傾向が見られます。
タワーマンション全体はまだまだ築年数が浅いマンションの部類に入るので、工事での騒音クレームが発生しやすいと認識しておきましょう。
また、タワーマンションの中には近隣の方への工事挨拶で、業者が直接訪問することが禁止されている場合があります。
そのため、工事音が大きくなりやすい期間等のお声掛けといった近隣の方々への細やかなコミュニケーションが取りづらい状況になりやすいです。
業者からは工事開始前に紙面でのお知らせ等は行いますが、近隣の方でお知り合いの方がいる場合などは、お客様自身で工事のお声掛けを行うなど、コミニケーションを取ることで騒音トラブルを防げることもあります。
騒音トラブルが発生した際には、音のでる工事作業時間の短縮などご近隣の方に配慮したスケジュールで工事を進める場合もあります。
その際には工事進行に影響がでる可能性もありますのでご注意ください。
共用部の養生ルールが厳しい
マンションのリフォーム工事を行う場合、エントランスや共用廊下を傷つけたり、汚してしまわないように共用部の養生を行うことが一般的です。
廊下にビニールシートを敷いたり、エレベーターの中にパネルを貼る作業がこの養生に該当します。
一般的なマンションではリフォーム工事期間中は共用部を養生した状態にしておくことが多いですが、
タワーマンションの場合、共用部の養生を毎日やり変えなければならない規則を定めているマンションが多くあります。
そのため、リフォーム作業を開始する前に共用部の養生作業が毎回必要になります。
その度に養生作業時間や作業費が必要になり、実は工事以外での作業で費用が発生することが多くあります。
タワーマンションでの養生費や軽作業費の見積書などを見て、以前よりも高いといった違和感を感じるかもしれませんが、それはタワーマンションの養生ルールが理由のことが多くあります。
一方、タワーマンションの中には、工事業者や運送業者用の運搬ルートを別で確保しているマンションもあります。
この共用部の養生ルールはマンションごとで異なります。多くはリフォーム業者が内容確認を行いますが、タワーマンションではこうした決まりごとがあることを知っておいてください。
工事資材の搬入・搬出が大変
タワーマンションにお住まいの方の悩みの1つに、朝の通勤・通学時間帯にエレベーターが混んでいるといったことが挙げられます。
また、通勤ピーク以降の時間帯でも高齢のご入居様がデイサービス等の外出の為に車椅子を使用してのエレベーター利用が多いので、朝はエレベーターが混みやすいといった声はよく聞かれます。
このような混雑状況は、タワマンリフォームでの工事作業にも影響を及ぼします。
多くのマンションリフォーム工事は作業開始が9時から始まることが多く、資材の搬入・搬出は8時台に行うことがありますが、まさにこのエレベーターが混んでいる時間帯と重なってしまいます。
もちろん居住者様のエレベーター使用を優先するため、作業の開始時間をやむを得ず遅らせることがあり、作業時間が短くなってしまうことも考えられます。
また、タワーマンションの中には工事でのエレベーター使用に事前予約が必要なことがあります。
リフォーム工事が集中してしまい、事前予約が取れない場合は工事スケジュールにも影響が及んでしまいます。
中には、共用廊下に資材の仮置き不可のマンションもあるので、その場合は搬入トラックから工事のお部屋まで一つずつ資材を搬入する必要があります。
このケースでもやはり搬入時間が非常にかかってしまうので、工事作業時間が減ってしまいます。
こうした作業の準備段階でも時間がかかってしまうことがあるので、実質の作業時間が短くなり、工期が一般的なマンションよりも長くかかってしまうことが考えられます。
また、このような状況を想定して、工事スケジュールを念の為、長く予定することも考えられます。
タワマンリフォームを断るリフォーム会社もある
上記でご紹介したようなタワマンリフォームの独自ルールは、工事スケジュールに影響を及ぼすことが多く、リフォーム会社の中にはタワマンリフォームを断る業者も存在します。
タワマンリフォームを行う場合、近隣の方々への配慮はもちろん、マンションを管理する管理人やコンシェルジュとのスムーズなコミュニケーションが重要になります。
タワーマンションの中には管理人が複数人体制で管理しているケースも多く、工事内容が管理人同士で共有されていないといった事案もありました。
こういったことはトラブルにつながりやすく、工事中止といった事態にも発展しかねません。
このようなリスクを回避するために、タワマンリフォームを避ける業者もいますので、リフォームを依頼する際にはあらかじめ問い合わせの時点で、「タワマンリフォームである」ということを伝えておきましょう。その業者のタワマンリフォーム経験有無を確認しておくと安心です。
以上がタワマンリフォームについての注意点でした。一見、ネガティブな印象が強いタワマンリフォームですが、こうした注意点は事前に知っておくことで、対策が可能なものばかりです。
タワマンリフォームに躊躇する必要はありませんのでご安心してください。
タワマンリフォームは上記でご紹介した通り、特殊なルールがたくさんあります。
そのため、工事を依頼するリフォーム業者はタワマンリフォーム経験が豊富な業者をおすすめします。
デメリットに挙げられるスプリンクラーといった特殊な工事から、困難な搬入作業といった内容に対しても、スムーズな対応が可能です。
タワマンリフォーム成功のポイントは「リフォーム業者選び」にありといってもよいくらい重要ですので、タワマンリフォームを得意としているリフォーム会社を選んでくださいね。
きがえる水工房では、大阪・兵庫エリアで80,000件以上のリフォーム実績があるリフォーム専門ブランドです。
もちろん、タワーマンションでのリフォーム実績も豊富なので、タワマンリフォームでもこれまでの経験を活かしたスムーズな工事を進めております。
タワマンリフォームをお考えの方も安心して、ご相談くださいね。
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