メリット・デメリットで比べる!「ベンチ浴槽」徹底解説
毎日の入浴。湯船に浸かる時間をリラックスできていますか?
「ゆっくり入りたいのに、すぐのぼせてしまう」
「子どもと入ると体勢がつらくて落ち着けない」
「半身浴も全身浴も楽しみたいけれど、普通の浴槽では難しい」
そんな声から、注目度が高まっているのが「ベンチ浴槽」です。
浴槽の中に腰掛けられる段差があり、体を預けながら入浴できるのがベンチ浴槽
「知らなかった」というお声も多いのですが、浴槽の形って床面がフラットなものだけじゃないんですよ!
リラックス感と使いやすさを両立できる浴槽の形として注目されています。
子育て期はもちろん、夫婦二人の暮らし、そして将来を見据えた「無理のない入浴」にも対応できる浴槽です。
今回は、そんなベンチ浴槽の特徴と導入前に知っておきたいポイントをお伝えします。
まずは近頃の浴槽トレンドをチェック
ここ数年、浴槽選びの基準が「サイズや価格」にプラスして「入浴の質や体験価値」も重要視される方が増えています。
特にコロナ禍以降、住まいの中で「癒し」「回復」といったウェルネス意識が高まり、浴室にも「リラックス性」が求められるようになりました。
その中で注目度を高めているのが、浴槽の中に腰掛けスペースを設けた「ベンチ浴槽」です。
[こちらが「ベンチ浴槽」浴槽の片側に段差があります]
ベンチ浴槽ではお湯に浸かる姿勢をサポートしてくれるため、のぼせにくく、長く湯船時間を楽しめることが最大の魅力。
半身浴派の人や、読書・スマホなど「ながら入浴」でリラックスしたい人には特に人気が高まっています。
また、子どもとの入浴や、夫婦の入浴介助のしやすさ、将来を見据えた立ち座りの負担軽減といった、ライフステージに合わせた「使いやすさの進化」も選ばれる理由の一つです。
一方、昨今の浴槽トレンドはベンチ浴槽だけではありません!
浴槽の床面がフラットな馴染みのある形でも、頭から背中にかけてのラインを自然に支える形状で、リラックスしやすい姿勢を保ちやすい形状に進化していますよ。
[こちらはTOTOの「クレイドル浴槽」ベンチなしタイプですが、ヘッドレストがあり、背中面がカーブした形状が特徴]
他にも特徴的な浴槽の形をご紹介。
[ストレートライン浴槽]
身体を伸ばしやすくシャープな印象のストレートライン浴槽。
デザイン性を重視した空間に好まれ、ホテルライクな浴室づくりと相性良いですよ。
ブラックカラーでまとめた浴室にぴったりです。
[ワイド浴槽]
浴槽の横幅を広げることでサイズ感UP、横向きに座れるベンチもついたワイド浴槽。
親子入浴や半身浴時の安定感が魅力。足をまっすぐ伸ばしてお湯に浸かれるのも嬉しいですよね。
[アーチライン浴槽]
浴槽の形を非対称にするとことで、コンパクトな浴槽サイズでも広く感じられるアーチライン浴槽。
「お風呂が小さい」と気にされる方は多いですが、同じお風呂サイズでも浴槽の形が異なるだけで、広さの印象は変わりますよ。
今の浴槽選びでは、「どう浸かるか」「どう過ごすか」がポイント。
その選択肢の中で、存在感を強めている「ベンチ浴槽」に今回は注目してご紹介します。
ベンチ浴槽とは?
ベンチ浴槽とは、浴槽内に「腰掛けられる段差=ベンチ」が設けられた浴槽のこと。
湯船の中で姿勢を安定させながら入浴できるため、従来の「肩まで一気に浸かる」だけの入浴よりも、体に負担をかけず、じっくり湯に浸かれるのが特徴。
近年は「入浴=リラックスする時間」という考え方が広がり、半身浴や、ながら入浴を楽しむ人が増えていることから、選ばれる家庭が増えています。
ベンチ浴槽最大の特徴は、半身浴と全身浴を一つの浴槽で切り替えられる点。
肩までしっかり浸かったり、半身浴でじんわり温まるなど、日によって入浴スタイルを変えられます。
読書やスマホ、音楽を楽しみながら、のぼせにくく入浴できるのも人気の理由。
さらに、ベンチ部分は暮らしの中でも活躍。
子どもの入浴介助がしやすく、安定した姿勢で洗えるため、親子の目線が合わせやすいコミュニケーションが取りやすいメリットも。
妊娠中や膝・腰に負担をかけたくない人、将来の入浴動作に不安がある人にとっても、立ち座りがラクな浴槽として注目されています。
一方でベンチ浴槽と一言でいっても、ベンチの高さや奥行き、位置、浴槽形状はメーカーやシリーズによって大きく異なります。
「座った時にどれくらい浸かるか」「足が伸ばしやすいか」「掃除しやすいか」は家庭によって相性が異なるため、ショールームで「実際に座って試す」ことが重要。
入浴時間をもっとリラックスさせたい、子育てや夫婦の暮らしを心地よくしたい、将来も安心して使える浴室にしたい。といったことにに応えてくれるのがベンチ浴槽です。
ベンチ浴槽のメリット
それではここからベンチ浴槽が支持されているメリットをご紹介します。
① のぼせにくく、じっくり浸かれる「心地よさ」
通常の浴槽で肩まで浸かり続けると、体が温まりすぎて短時間でのぼせやすくなります。
その点、ベンチ浴槽は腰掛けることで姿勢が安定し、体への負担を抑えながら入浴可能。
半身浴からスタートし、少し疲れたら肩まで浸かる、といった強弱をつけた入浴ができるため、長くゆったり湯に浸かりたい人に最適。
本やスマホ、音楽を楽しみながら、自分のペースでリラックス時間が作れます。
② 一つの浴槽で、半身浴と全身浴を切り替えられる
半身浴用のグッズを別途用意しなくても、ベンチに座るだけで自然な半身浴姿勢が作れます。
半身浴で体を温めてから全身浴へ移行することで、血流や発汗を整える効果も期待でき、美容・冷え対策としても優秀。
「今日は疲れが強いから半身浴中心に」「週末はしっかり全身浴でデトックス」など、その日のコンディションに合わせて入浴スタイルを自由に選べるのは大きな魅力です。
③ 子どもの入浴介助がしやすく、親子のお風呂時間が快適に
育児期の入浴で負担になるのが、中腰姿勢での介助や、体勢を保ちながらの洗身。
ベンチ浴槽なら、親がベンチに腰掛けて安定した姿勢で子どもを支えられます。
同じ目線の高さでコミュニケーションが取りやすく、親子の入浴時間がバタバタからゆとりへ。
湯遊びを見守りつつ、親も肩まで浸かって温まれるため、冷えや疲れ対策にもなります。
兄弟での入浴時も、片方をベンチに座らせて順番に洗えるなど、安全性と効率の面でもメリットがありますよ。
④ 立ち座りの負担を軽減し、将来の入浴も安心
浴槽の出入りは、年齢を重ねるほど、転倒リスクや体の負担が大きくなります。
ベンチ浴槽は、ベンチ部分が中継地点となることで、段階的に体を支えながら立ち座りができるため、膝や腰への負担を軽減。
妊娠中、体力が落ちている時、足腰に不安がある時など、ライフステージが変化しても使いやすい安心感があります。
将来の介助入浴にも適しているため、長く使える浴槽として選ぶ人が増えているのも納得です。
⑤ 節水と光熱費を抑えられる
湯量を増やさなくてもベンチに座ることで湯面が体に近くなり、少ない湯量でもしっかり浸かっている感覚を得やすいのも利点。
浴槽サイズやシリーズにもよりますが、全身浴だけの場合と比べて実湯量が抑えられ、結果的にお湯代・ガス代の節約につながります。
「光熱費は抑えたいけれど、入浴の心地よさは譲れない」という家庭にとって、節約と癒しの両立ができる浴槽です。
ベンチ浴槽のデメリット
メリットがある一方で「選んでから気づいた」という声が出やすいのが浴槽選び。
ここでは、ベンチ浴槽で特に知っておきたいデメリットや注意点を整理します。
購入検討前に目を通しておくことで、後悔のリスクを減らすことができますよ。
① 足を伸ばしにくい場合がある(入浴姿勢が限定されやすい)
ベンチ部分があることで、浴槽の内部スペースが一般的なストレート形状より狭くなる場合があります。
特に身長が高い人(170cm以上)や、足をまっすぐ伸ばして寝そべるように入浴したい人にとっては、リラックスできる体勢が限られる可能性があります。
「夫は快適だけど、妻は少し窮屈」など、家族で感じ方が異なるケースも。家族全員でショールームで試すことが大切です。
② 座る位置が固定されるため、自由度が少ない
ベンチ浴槽は「座って浸かる快適さ」を重視した浴槽です。
そのため、自由にポジションを変えたり、横向きで広々過ごす、といった可動性のある入浴がしにくい側面があります。
「今日は足を伸ばしたい」「今日は深めに浸かりたい」など、気分で姿勢を変えたいタイプには、やや物足りなく感じられることも。
③ ベンチ部分の掃除が増える(くぼみ・段差は水垢が溜まりやすい)
段差があることで、どうしても水垢や皮脂汚れが溜まりやすい箇所が増えます。
特に、ベンチの影になる部分や湯面との境目は汚れが残りやすく、フラット浴槽に比べると掃除の手間は増えると感じる人も。
ただし、メーカーによっては形状工夫やコーティングにより汚れが溜まりにくい仕様も出ています。
掃除のしやすさは、形状と素材のチェックが必須です。
④座り方が合わないと逆に疲れる
ベンチの高さや角度が体型に合わないと、腰が浮いたり背中が丸まり、逆に疲れてしまうことがあります。
特に長時間の半身浴を楽しみたい人ほど、フィット感の差が出やすいため、ショールームで実際の姿勢で座ってみる確認が欠かせません。
また、家族の好みや入浴方法が異なると、「半身浴派には快適だが、全身浴派には狭い」と感じる場合も。
見た目やトレンドだけで判断せず、家族全員の使い方をイメージして選ぶことが大切です。
⑤家族のライフステージによって不要になる時期が来る可能性も
子育て期には大活躍するベンチですが、子どもが成長して一人で入るようになると、使用頻度が減る家庭もあります。
逆に、介助入浴が必要になるタイミングでは便利になるため、活躍期が「波」のように訪れる浴槽とも言えます。
「今、誰が一番使うのか」「10年後、誰の体に合わせるべきか」といった視点を持つことが、後悔しない選択につながります。
ベンチ浴槽を体験!ショールームで確認すべきポイント6点
ベンチ浴槽は、見た目や説明だけで選んでしまうと「思っていた使い心地と違った」と後悔しやすい設備の1つです。
とくに、ベンチの高さや角度・浸かり具合は数値や写真では分かりにくく、必ずショールームで体験して選ぶことが満足度のポイントになります。
ここでは、失敗しないためにチェックすべきポイントをまとめました▼▼▼
①ベンチの高さ・奥行き・角度が体に合うかどうか
担当者の説明を聞くだけでなく、実際に浴槽に腰掛けて、背中を預けた姿勢や足を伸ばした姿勢を試してみましょう。
3分ほど座ってみると、背中が疲れるかどうかが分かります。身長差のある家族がいる場合は、家族それぞれが座ってみるのが理想です。
ショールームで浴槽に入ってサイズチェックをする時に、30秒程で終えてしまう方が多数!ここは時間をかけるポイントです。
②半身浴と全身浴の浸かり具合
ショールームでは実際の入浴は難しいため、お湯が入った高さをイメージし、半身浴姿勢では「みぞおち〜胸の下まで浸かるか」、全身浴姿勢では「肩までしっかり温まれるか」を確認しましょう。
湯量線の目安や適水位を確認し、どの程度お湯が必要かを知っておくと安心です。
水位が浅すぎると温まりにくく、逆に深すぎると光熱費負担が増える場合があります。
③足をどれだけ伸ばせるか、窮屈さがないかも重要
ベンチがあることで全身浴スペースが狭く感じる人もいるため、膝の曲がり具合や足先の余裕をチェックしましょう。
「脚を組めるか」「体育座り以外の姿勢もリラックスできるか」も意外な見極めポイントです。
④またぎ高さも忘れずに!
将来も長く使う浴槽だからこそ、出入りのしやすさは重要です。
跨ぎやすさは実際にまたいでみないと実感が得られません。
特に妊娠中や膝・腰に不安がある人、将来を見据えたバリアフリー視点で浴室計画をしたい人は、「少ない力で出入りできるか」を重点的に確認しましょう。
⑤掃除のしやすさにも注目を
ベンチ部分は凹凸があるため、汚れが溜まりやすい箇所になることも。
素材の汚れ落ち性能や、お手入れ方法、排水口・エプロン裏などのメンテナンス性も合わせて確認しておくと安心です。
⑥家族全員の使い方の違いに対応できるかを検討
半身浴派・全身浴派、読書しながら入る派、サッと済ませたい派など、入浴スタイルは家庭によってバラバラ。
「誰に最適化するか」「どの使い方を軸に選ぶか」を決めておくとミスマッチを防げます。
ベンチ浴槽はただ座れる浴槽ではなく、入浴時間の過ごし方を変えるアイテム。
ショールームではできる限り実際の入浴シーンを再現する意識で体験することが、後からの後悔を防ぐ最大のポイントです。
大切なのは「どんなお風呂時間を過ごしたいか」
ベンチ浴槽はお風呂でどう過ごしたいかによって、その価値が大きく変わる設備です。
「半身浴でじっくり温まりたい」「お風呂で読書や音楽を楽しみたい」「子どもとの入浴をもっとラクにしたい」
そんな人にとっては、ベンチ浴槽は入浴時間を豊かにしてくれる選択肢に。
一方で、肩までしっかり浸かる全身浴が中心で、短時間でサッと入ることが多い家庭には、従来型浴槽のほうが快適な場合もあります。
ここでベンチ浴槽の向き不向きをチェック▼▼▼
〈ベンチ浴槽が向いている場合〉
・半身浴や「ながら入浴」でリラックス時間を楽しみたい
・子どもの入浴をラクにしたい
・妊娠中や将来を見据えて負担の少ない浴槽を選びたい
・湯に浸かりながら身支度やスキンケアをしたい
〈ベンチ浴槽が向かない場合〉
・毎回しっかり全身浴で温まりたい
・足を伸ばして広々入浴したい
・家族で入浴スタイルの好みが大きく異なる
大切なのは、トレンドや見た目だけで選ぶのではなく、お風呂時間をどう過ごしたいのかを考えること。
ベンチ浴槽は入浴の質を変える力がありますが、万人にとってベストとは限りません!ここポイントです。
「ベンチ浴槽に後悔している」といったお声も実際によくあるので、慎重な検討が必要。
お風呂(特にユニットバスの場合)の浴槽だけ取り替えは非常に難しいので、浴槽の選択は想像以上に慎重に行うべきことなんです。
まずは自分(家族)の入浴習慣を振り返り、「お風呂で叶えたい理想」をイメージしてみましょう。
そのうえでショールームで体感し、暮らしにぴったりの浴槽を選ぶことが後悔しない浴室づくりにつながりますよ!
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